日本紹介展

 もうだいぶ前の話になりますが、学校の授業の一環で、それぞれ自分の地域の文化紹介をやろーや、ってのがありました。まぁ私は日本人だし、他に2人もいるので、3人で日本紹介をやってみることにしました。

 担当だった、外部から来た先生2人の夫婦は、旦那はドラマー、奥さんはダンサーだったんですが、色々経験を積んでいるようで、非常に話の通じる二人でした。で、彼らから我々に出された課題は、「考えすぎない事!」でした。力抜いて力抜いて、最小限に留めようって考えながらやれ!って事でした。なかなか意を突いていると思います(笑)。

 で考えた我々の企画は、
①日本食を作ってみる。
②ちょっとした日本語講座をやってみる。
③ちょっと日本の写真でも見せてみる。
…というものでした。

 まず日本食。夕飯として作ることになったのだけれど、ただし約40人分を作るので、できるだけ簡単なのにしたい。手抜き重視。→ということで「日本のお弁当」をテーマに、おにぎり、煮物、漬物、緑茶を採用しました。
 材料を買い揃えてみれば、意外なほど安上がりで済んで、これまた万歳。漬物は前日から白菜を塩だけで漬けたもの。これは私の手作り。煮物は、人参、芋、大根、豚肉なんぞを醤油味で煮込んだもの。

 食べるに当たって、普段なら自分の分を取ったら食べ始めるところを「待て!」と言い聞かせて、全員に正座をしてもらって、「いただきます!」をやらせました。さらに「おにぎり」は各自で握るようにしました。作る側の手間を省きつつ、簡単に日本食作りの体験をしてもらうわけです。食べ終わっても帰らせないで、みんなで「ごちそうさまでした!」を言う所まで、日本式でやらせました。
 おにぎり・煮物もさることながら、白菜の漬物がウケたのは意外でした。

 そして続く日本語講座。PCを使いながらの発表でした。まず仕事始めの挨拶として「よろしくお願いします!」を教えて、全員に言わせる。続いて、「日本は共同体の国です。で、共同体の基本、家族のなかだけで使う言葉があります!」と説明し、「行ってきます!/行ってらっしゃい!」「ただいま!/おかえり!」を実演つきで説明。これをグループの中で使えば、それはそのグループが家族のような雰囲気だという意味なんです、とか言ってみたり。

 さらに、日本文化の説明として最適なものを発表。ドイツ語には「Ich」って言葉がありますよねー。もちろんこれは自分って意味ですよねー。でも日本語では、「Ich」がいっぱいあるんです!と前置きし、「私」「俺」から「自分」まで、漢字カタカナひらがなで次々と画面に出していく。最後に20個くらいを一画面にだし、「まだあります」と説明。相当驚いたようで「Alles ich!?」という言葉まで聞こえてきました。

 全てのIchには個性があって、 僕等は状況や相手との関係で使い分けてる、という説明をし、でもひとつひとつの性格は説明できないので、学生みんなに振り分けてみました。○○は俺、○○はボク、等々。日本人3人でIchの振り分けをしてる時に、予想外に3人の意見が一致して、おもしろかったです。「○○は… ひらがなの「おれ」!」「こいつは… あ絶対「自分」だ!」という細かな部分まで共通見解がでたりして、笑えました。

 日本の写真展は、まずは日本食の写真から。宿の食事や定食など、色々なものを紹介。食べたばかりの「おにぎり」の例とかも。さらにある器の拡大写真をだして(5つの光を通す点がある綺麗な湯飲み)、これが日本の美だ!と豪語。
 その後は日本の夏祭りの写真、田舎、都会の風景を紹介し、最後に日本で働くドイツ・Heidelberg製の印刷機の写真を出して、おしまい。



 最後に、「日本には仕事の後に交わす重要な言葉があります。これは共同体には欠かせない言葉です。」と言って、「お疲れ様でした!」を教え込んで、みんなで挨拶。

 日本紹介展は大好評で終了しましたとさ。

P.S.
 紹介展の内容もさることながら、3人の組織力・運営力というか、マネジメントについても、後日まで評価されるというおまけが付きました。
 …てかね、こっちの人達ってね、団体の運営が下手なんですよ。性格的に。「個人主義」って言葉が本当に頭をよぎります。西洋文化の「自由」って、こういうことなのか、って思い知らされます。学ばなきゃいけないけど、目指しちゃダメだなーって。